ドクターインタビュー
戸田 智大 院長、落合 宏頼 先生への取材記事

かいり歯科クリニック(千葉県/千葉みなと駅)

こちらのクリニックの特色を教えてください。

  1. 戸田先生
    当院は地域のかかりつけ歯科医院と考え、患者さんはお子さんから高齢の方まで広く、診療内容も虫歯・歯周病の治療と再発防止、かぶせ物や義歯、小児歯科全般、矯正、インプラント治療、審美的処置など地域の多様なニーズにお応えしています。どの分野も満遍なく合格点で総合的な診療ができ、何でも安心してご相談いただけることが、かかりつけ歯科医院として重要と考えています。
  2. 落合先生
    私はマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使った診療を得意としており、その精度へのこだわりも特色の一つといえます。適切な治療には正確な診断が必要ですが、肉眼では見えないところも見えるマイクロスコープによる診査は、診断のクオリティーの大幅な向上につながりますし、治療の際も、歯を削る量を必要最低限に抑えられるなどのメリットがあります。

診療面ではどんな点を重視されていますか?

  1. 戸田先生
    まず患者さんが痛みや不安をなるべく感じないように治療し、きちんと噛むために機能を回復させることです。加えて予防にも力を入れ、最初から虫歯や歯周病にならないのはもちろん、一度治療した所が再び悪化しないよう注意を払います。それには悪くなった理由をしっかり把握し、その解消に努めるのですが、理由は歯並びや歯磨きなど口の中だけに限りません。その方の食生活や生活習慣、あるいはストレスなども影響するため、予防には患者さんを全人的に診ることが必要になります。そして「そういう理由で何度も悪くなったのか」とご本人が理解・納得され、意識と行動が変わったときが本当の予防の始まり。ですから患者さんへの丁寧な説明も重要と考えています。

どのような説明をされているのでしょうか?

  1. 戸田先生
    まず初診には1時間いただいてお悩みやご不安などを詳しく伺い、必要なら検査で症状の把握に努めます。その結果は画像をお見せしたり、模型で状況を具体的に示したりと、患者さんが実感を持って受け止めていただけるよう工夫しています。目的は患者さんに理解していただくことですから、画像や模型などを使ってわかりやすい説明が大切なんです。
  2. 落合先生
    3ヵ月ごとの定期検診でも結果を時系列でグラフ化し、以前に比べて改善したなどの推移も患者さんにお見せしながら説明します。もちろん患者さんが自分でいつでも確認できるよう検査結果などは主力してお持ち帰りいただきますし、こうした考えを歯科医師だけでなく歯科衛生士や歯科助手など全員が共有し、それに基づいて行動している点も当院の良さだと思います。

マイクロスコープでの診療、子どもの矯正にも注力

マイクロスコープでどんな診療が可能になりますか?

  1. 落合先生
    当院の機材は最大24倍の拡大率を持ち、肉眼では見えないほど小さな虫歯や歯についた傷、歯質と人工歯の境目の状態などが明確にわかり、診断に役立ちます。また撮影機能によって口の中の様子を画像や映像でモニターに映すことができ、患者さんに現状を視覚的に理解していただけるのもメリットでしょう。治療面では主に根管治療に使用しますが、虫歯や治療用に空けた穴を通して、歯の奥の歯根を見ながら治療できます。もちろん虫歯を削るときなどは、痛みの原因となる神経に触れないよう、削る量を必要最小限に抑えて治療することが可能です。といっても私はマイクロスコープありきではなく、常にどのように使えば患者さんのメリットになるのかを総合的に検討した上で使用しています。

子どもの矯正にも力を入れているそうですが?

  1. 戸田先生
    一般的に矯正は、歯並びや噛み合わせなどに問題がある患者さんの治療の意味で、永久歯を抜いて全体を調整する場合もあります。しかし当院では「歯並びや噛み合わせを悪くしない」「悪くなる兆候を早く見つけて改善する」ことをめざし、お子さんの歯を抜かない矯正を行っています。このため1、2歳くらいから定期的に口の中の状況を確認して、必要なら予防的な矯正によって歯並びが悪くならない口腔環境を整えるのです。主に用いるのは子どもの成長期を利用して顎の発達を促す床矯正で、これは痛みを感じることもほとんどありません。永久歯に生え替わる前ならこうした対処も可能ですから、親御さんがお子さんの歯並びを見て「大丈夫かな?」と感じるようなら早めにご相談ください。

歯並びを悪くしないために、家庭で気をつけることはありますか?

  1. 戸田先生
    きちんと噛んで食事をしていれば、歯の受け皿となる歯槽骨が順調に発達して、歯並びはある程度整っていきます。しかし現代の食生活ではやわらかい食べ物がほとんど。椅子に座って足が床につかないまま食事をすれば、噛みしめる力が入りにくく、うつむいて背中を丸める姿勢が多いといった体癖も歯並びや噛み合わせに影響すると考えられます。当院ではそうした日常生活の注意点も含めてアドバイスしています。
  2. 落合先生
    これは矯正に限りませんが、予防によって症状の悪化を防ぐことは、治療費を抑えることにもつながります。ですから気になることは何でも相談できる窓口として気軽に来院いただきたいですし、お一人お一人の問題解決を手助けできるクリニックでありたいと思っています。

歯科医師をめざしたきっかけなどをお聞かせください。

  1. 戸田先生
    虫歯が多いなど自分の口腔環境が整っていなかったことですね。当時は痛くなってから歯科医院に行くのが一般的で、「歯科医院=痛い=嫌い」と思い込んでいました。ただ兄が医師になった影響もあって医療に興味を持ち、「自分のような歯科医院嫌いを増やしたくない」と考えて歯科医師になったんです。
  2. 落合先生
    私の場合はマイクロスコープを専門にした理由になりますが、自分の根管治療に納得がいかず、当時の勤め先の院長に相談したのがきっかけでした。そして欧米の歯科を専門的に学ばれた先生方による「藤本研修会」主催の根管治療コースを紹介してもらったのです。そこでの恩師が日本にマイクロスコープが導入された当初から使われている方で、私も根管治療を中心にマイクロスコープによる診療に力を入れるようになりました。

どのような経緯で千葉みなとで開院されたのですか?

  1. 戸田先生
    私は北海道大学を出て神奈川県のクリニックで経験を積み、千葉県にある医療法人で分院長も務めました。特に当県内で多くの方に支えられ、開業に際してここを紹介していただいたのです。地域のかかりつけ歯科医院なので患者さんは近くの方が中心ですが、最近は患者さんのお知り合いやご親戚などに紹介が広がり、少し離れた地域からもおみえいただき、たいへんありがたく感じています。
  2. 落合先生
    実は戸田先生とは以前から縁があり、当時から「開業したら私を呼んでください」と冗談交じりで話していたのですが(笑)、その後「来ていただける環境が整いました」と声をかけていただきました。戸田先生とは診療の理念も近いと感じていたので、一緒に働けるのがとてもうれしいですね。

今後の目標について教えてください。

  1. 戸田先生
    開院当初から検査用CTなどを設置し、2017年にはマイクロスコープも導入するなどハード面を充実させてきました。それらはすべて患者さんに喜んでいただだくためで、次のステップとしてもう一つの軸といえるソフト面を強化していきます。すでに落合先生のおかげでマイクロスコープによる精密な診療が可能になりましたが、今後も歯科医師や各スタッフの知識や技術を磨き、ホスピタリティーを向上させて、さらに良質な歯科医療をご提供していきたいです。
  2. 落合先生
    私の理想は、患者さんにも歯科医師やスタッフにも喜ばれる歯科医院です。私の診療やスタッフの対応で患者さんに喜ばれることは、私たちにとっても大きな喜び。そうした三位一体の良好な関係の中で患者さんのための診療を進めたいと思っています。