歯周病専門外来②〜歯の周りの歯肉の再生(遊離歯肉移植術(FGG( Free Gingival Graft))〜
2025.06.26
『歯を失うとどうなるの?』
歯を失うと・・
歯の周りの顎の骨(歯槽骨)
歯の周りの歯肉(口腔上皮)
など、歯だけでなく下図の歯周組織と呼ばれる歯の周りの組織(青線の範囲)も失うことになります。
つまり歯を失ってしまったら・・
ブリッジ、入れ歯、インプラントといった人工的な歯を補う治療が必要なだけでなく、
治療後のメインテナンスがしやすい環境(歯ブラシが当てやすい環境)を作るために
失ってしまった歯の周りの骨(歯槽骨部分)や、特に歯茎(歯肉)の再生も考慮する
必要性がございます。
遊離歯肉移植術(Free Gingival Graft)
ピンクのラインから歯までの幅が歯肉の幅となります。
この症例では抜歯後にブリッジで修復する際に、失った歯肉を回復させた症例ですが、もともと狭かった歯肉の幅が抜歯前よりもさらに増えていることが分かります。
この際のポイントは歯肉移植は最終的な修復物を入れる前に処置する必要性がございます。
(移植する歯肉は口蓋と呼ばれる上の歯の内側の歯肉から採取します)
修復物の周りに歯ブラシが当てづらい
歯ブラシの際に歯茎が痛い、ヒリヒリする
食べ物がよく挟まる
などは、歯肉の幅が狭い場合や失っている可能性がございます。
当院では日本歯周病学会のガイドラインに基づいた正しい診査・診断から歯周病治療を適切に行えるように、スタッフ一同日々研鑽しております。
お困りの方はお力になれると思いますので是非お気軽にご相談下さい。
〜拠り所であるように〜かいり歯科クリニックは最良の医療を追求し続けられる医療チームを目指します
【ご報告】当院のスタッフが日本歯周病学会認定歯科衛生士資格を取得しました!
2025.06.12
このたび、当院の歯科衛生士・山元が、NPO法人 日本歯周病学会による「日本歯周病学会認定歯科衛生士」資格を取得いたしました。
2025年5月22日に開催された日本歯周病学会において、症例報告や口頭試問などの厳正な審査を経て、認定の承認をいただくことができましたことをご報告申し上げます。
日本歯周病学会認定歯科衛生士とは
「日本歯周病学会認定歯科衛生士」は、厚生労働省が認可する唯一の歯科衛生士向け認定資格であり、取得のハードルが非常に高い資格として知られています。
取得にあたっては、以下のような厳しい条件が課されます。
・5年以上の実務経験
・学会による5症例の症例報告提出
・口頭試問による認定試験の合格
さらに、資格取得後も5年ごとの更新制となっており、その都度、生涯研修単位の取得が必要とされるなど、常に学び続ける姿勢が求められる資格です。
歯科衛生士の努力の結晶
私自身も、開業後に歯科医師の日本歯周病学会認定医資格を取得した経験があります。その際に痛感したのが、学会のガイドラインに即した資料収集や診査診断の重要性でした。
例えば、適切なカウンセリングから始まり
-
一歯あたり6点法による歯周精密検査
-
デンタルX線14枚法
-
口腔内写真13枚法
といった詳細な検査・資料の撮影が求められます。これらを正確に、かつ継続的に行うためには、医院の設備などのシステム構築だけでなく、スタッフの理解と協力が不可欠です。
12年前の開業当初は慌ただしく、かれこれ院内システムを整えるまでに10年近くかかりましたが、そのような中で、当院の歯科衛生士が日々の忙しい診療の中でも、丁寧な資料取りと確かな技術、そして何より患者様に寄り添うハートをもって歯周基本治療に取り組んでくれました。
その結果、多くの歯周病の患者様を治療から予防・メインテナンスのステージへと導いてくれた歯科衛生士の努力の賜物だと感じています。
開業当初からの想い
今回の歯科衛生士の認定資格取得は、院長の私にとって、「開業当初からのひとつの夢」でもありました。
日々の多忙な業務の中、その夢を実現してくれた歯科衛生士、そして忙しい診療を支えてくれているすべてのスタッフ、さらには適切な臨床指導をしてくださっているフリーランスの歯科衛生士の先生に対し、この場を借りて心より感謝申し上げます。
当院の診療理念
かいり歯科クリニックでは【安心】【安全】【最良】の医療提供を前提とし、『正しい診査・診断』に基づく『わかりやすい説明』を大切にしています。
今後とも虫歯や歯周病などの病気の予防だけでなく、お子様の《歯並び予防》に至るまで、
『原因にアプローチ』することで、治療が必要なステージではなく『予防ステージを維持』
できるよう、スタッフ一同日々取り組んでまいります。
お口の健康に不安やお悩みがある方は、どうぞお気軽に当院までご相談ください。
皆さまの健康な毎日をサポートできるよう、これからも誠実に取り組んでまいります。
かいり歯科クリニック 院長 戸田智大
【参加報告】第43回 日本顎咬合学会学術大会に参加しました
2025.06.07
こんにちは。かいり歯科クリニック院長の戸田です。
このたび、当院の歯科医師・松上先生と共に、**東京国際フォーラムで開催された「第43回 日本顎咬合学会 学術大会」**に参加してまいりました。
日本顎咬合学会とは?
日本顎咬合学会は、1979年に発足した日本最大規模の“噛み合わせ”に関する学会であり、現在約9,000名の歯科医師が所属しています。
臨床歯科医療において、咬合(こうごう:噛み合わせ)を中心に、審美歯科、補綴治療、歯周治療、矯正歯科など幅広い分野において、最新の知見を学ぶことができます。
当院の
● 歯科医師 戸田智大
● 歯科医師 松上佳亮
は、この学会が認定する【咬み合わせ認定医】の資格を取得しています。
治療計画における臨床的指標(Clinical Guidelines)
歯科治療を計画する際、世界的に著名なDr. Kois や Dr. Cohen らが提唱する**「Clinical Guidelines(臨床的指標)」**が大変参考になります。これは、補綴治療(被せ物などの修復処置)を行ううえで重要な優先順位を示したものです。
《Clinical Guidelines:臨床的な優先順位》
- Esthetic(審美)
→ 歯や歯ぐき、顔貌、口元との調和。
見た目の美しさと自然さを最優先に。 - Biology(生物学)
→ 清掃のしやすさや、組織へのやさしさ。
長期的な安定性・清潔性を考慮。 - Structure(構造)
→ 補綴物の脱離や歯根破折の防止。
しっかりとした耐久性と構造設計。 - Function(機能)
→ 咬合(噛み合わせ)、咀嚼、発音、嚥下。
しっかりと機能することが大前提。
このような指標を踏まえて治療計画を立てることで、見た目・機能・健康の全てをバランス良く満たすことが可能になります。
テクノロジーの進化と、変わらない「人を診る」歯科医療
今回の学会では、アナログからデジタル、さらにはAIの活用など、歯科医療の技術が大きく進化していることを改めて実感しました。一方で、私たちが扱う「お口の中」は、生体であり、基本構造や生体の反応など変わらない部分も多くあります。
だからこそ、基本に忠実な技術、そして患者様お一人おひとりの生活や背景に寄り添った“人を診る”医療が、これからも大切であることを強く感じました。
かいり歯科クリニックでは、これからも安心・安全・最良の歯科医療の提供を目指して、スタッフ一同、研鑽を積んでまいります。
噛み合わせ、被せ物、審美的なお悩みなど、どんなことでもお気軽にご相談ください。
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