【セミナー】世界初の歯周治療機器「ブルーラジカル P-01」セミナー参加報告
2025.09.08
かいり歯科クリニック院長の戸田です。
本日は休日を利用して、今メディアでも大きな話題となっている、東北大学 菅野太郎教授を中心に開発された世界初の歯周治療機器 「ブルーラジカル P-01」 のセミナーに参加してきました。
歯周治療と明記された初の医療機器
これまで私たち歯科医師や歯科衛生士が歯周病治療に使用してきた 超音波スケーラー や エアフロー は、医療機器として「歯垢・歯石の除去」と記載はあるものの、「歯周治療」 とは明記されていません。
一方、ブルーラジカルは以下のように記載されています
『ステージⅢ・Ⅳの歯周炎患者の治療において、歯周ポケット底部を殺菌しながら、超音波振動によりスケーリングを行う』
つまり、歯周治療時に使用することを正式に厚労省から認可を得て明記された世界初の医療機器 なのです。
ブルーラジカルP-01の仕組み
歯周病の原因は「プラーク(細菌の塊)」が形成するバイオフィルムです。
バイオフィルムは薬剤が浸透しにくく、細菌にとって「鉄壁の要塞」のような存在です。
ブルーラジカルは、この難攻不落のバイオフィルムに対して、
①過酸化水素にブルーライト(405nm)を照射
②ヒドロキシラジカルを発生
③強力な酸化力で細菌を殺菌
という仕組みで作用します。
これにより、これまで外科的処置が必要だった5mm以上の深い歯周ポケット内でも、非外科的に細菌を除去できる可能性が広がります。
非外科治療だけで進行した歯周病は治せるか?
もちろん課題もあります。
【課題】
歯石(細菌の死骸)は、盲目的な操作では完全除去が難しい
歯周組織再生療法のような歯の周りの骨の再生は期待できない
そのため、日本歯周病学会ガイドラインに沿って治療計画を立てるとすると
歯周ポケットが5mm以上かつ炎症がある場合は、やはり再生療法を含めた歯周外科手術が必要となります。
しかしながら、
外科処置を希望されない患者様や全身疾患や服薬(抗凝固薬、骨粗鬆症治療薬など)のため外科処置が困難な患者様にとっては、
ブルーラジカルP-01は低侵襲で希望の持てる治療選択肢となり得ます。
歯科医師はいらない!?歯科衛生士が歯科医療の主役になる時代へ
ブルーラジカルのような非外科治療が普及すれば、歯科衛生士による治療の役割が格段に広がると考えられます。
あまり世間では知られていませんが、実は歯科衛生士のライセンスは、歯周基本治療において局所麻酔を行うことが可能です。
きちんとした教育とトレーニングを受けた歯科衛生士であれば、ブルーラジカルを活用し、麻酔下で重度の歯周病に罹患した患者様に対して、非外科処置で身体への負担も少なく、かつ薬などの副反応もない高度な歯周病治療で歯周ポケットの大幅な改善を担うことも現実的になります。
つまり、
歯周病治療は歯科衛生士の時代へ
という新しい流れが始まるのはそう遠くないと思います。
かいり歯科クリニックでは、日常的に日本歯周病学会のガイドラインに基づいた治療(外科処置を含む)を行っております。
今後はブルーラジカルのような低侵襲の治療も積極的に取り入れ、
患者様にとってより安心で安全
痛みやダメージの少ない治療
を目指し、スタッフ一同、一丸となって研鑽を積んでまいります。
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