ダイレクトボンディング症例⑶〜意外と知らない虫歯の進行の仕方編〜
2015.06.20
こんにちは。かいり歯科クリニックの院長の戸田です。
今年も早いもので半年が過ぎ、千葉みなとにも海風が心地の良い夏がやってきますね。今年の夏も暑くなりそうですが、瞬く間に過ぎ去る季節を楽しみたいと思っております。
さて、話は変わりますが、皆様は虫歯という病気はよくご存知だと思いますが、どのように進行するかご存知でしょうか。
今回は虫歯について少しお話させて頂きます。
まず、虫歯は歯周病と同じ細菌感染症=主にS.mutans菌です。その虫歯菌が出す酸で歯が溶けていくわけですが、歯科ではその虫歯の進行度をC0~C4で表します。
C0 : むし歯になる前兆です。
C1: 表面のエナメル質が溶け始めた浅いむし歯。
C2 : むし歯が進行し、象牙質まで達したもの。
C3 : う蝕が歯髄まで達したもの。
C4 : 歯冠のほとんどが崩壊したもの。
さて皆様は虫歯をどの段階で自覚できると思いますか?
「歯に穴が空いた(穴に食べ物がつまる)」「銀歯がとれた」「歯がしみる。。」「歯がズキズキ痛い」
「治療中断していた歯が欠けた(痛くはない)」などなど
上記のような主訴で歯科にかかられたご経験のある方は多いのではないでしょうか。
実は上記の症状の自覚は C2〜C4 なんです。しかもC2は限りなくC3に近いC2なんです。。
つまり、歯の表面のエナメル質という組織は、人の組織の中で一番硬い組織でもあり、ほとんど穴が空くことはないです。
虫歯がエナメル質の下の柔らかい象牙質に到達し、アリの巣のように中で広がり、スカスカになったあと、食事どきなどに上から力が加わり、ある日急に穴が空いたかのようになるのです。
つまり、簡単に例えると
《虫歯の進行の仕方》=《アリの巣 または 地盤沈下》
といったところでしょうか。前々から着々と虫歯菌がその名の通り、むしばんだ結果なんです。
つまり虫歯の早期発見するには、歯科医師である自分の歯ですら、診療台の強い光量をもったライトを歯に当ててエナメル質越しに透かしてみる事と、レントゲン撮影を併用しないと発見は難しいです。
では 知らず知らずのうちに進行してしまった虫歯をダイレクトボンディングの症例を紹介します。
《患者様の主訴》 定期検診で受診 まったく症状はなく虫歯の進行の自覚は一切なし
レントゲン写真と視診で虫歯が見つかり、即日での審美的な治療を希望されたためダイレクトボンディングで修復したケースです。
いかがでしょうか。左下の写真から左上の虫歯の進行を予測できましたか?実際のところ患者様ご自身でこれを見つけることは相当困難だと思われます。
一人でも多くの方に早期発見・早期治療の大切さを、微力ながらお伝えできれば幸いです。