【学会参加報告】第55回 日本口腔インプラント学会学術大会に参加してまいりました
2025.10.27
かいり歯科クリニック 院長の戸田です。
2025年10月24日(金)〜26日(日)に福岡で開催された
『第55回 日本口腔インプラント学会学術大会』に参加してまいりました。
今年のテーマは、
「国民から信頼される口腔インプラント治療 〜医療DXが切り開くインプラント治療の未来〜」
全国から大学の教授や研究者、そして臨床現場で活躍されている開業医の先生方が集まり、
最新の研究成果や臨床知見について多くの講演が行われました。
私自身も非常に多くの学びと刺激をいただいた3日間でした。

医療DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
最近よく耳にする「医療DX」という言葉。
少し難しく聞こえますが、簡単に言うと、
医療現場にデジタル技術を取り入れて、より安心・便利・効率的な医療を実現していく取り組みのことです。
インプラント治療においても、CT画像や口腔内スキャナー、デジタルプランニングシステムなどの導入によって、
より精密で安全な治療が可能になっています。
インプラント治療で大切にしていること
私の臨床では、虫歯・歯周病・歯の破折などで歯を失った場合に、
「残存する組織に負担をかけない方法」としてインプラント治療を選択するケースがあります。
当院では、
「治療から予防へ」という考えのもと、
治療が終わったあとのメインテナンス(予防・管理)を最も大切な医療行為と位置づけています。
インプラント治療においても、
術前の正確な診査・診断、清潔で確実な手術を徹底し、
治療後には審美的にも機能的にもご満足いただける結果を目指しています。
短期的な成功はもちろん、長期的にインプラントが安定して機能することを何より重視しています。
インプラント治療で本当に大切なのは「治療の後」
インプラント治療は「噛めるようになったら終わり」ではありません。
治療後の長い人生の中で、
インプラントを支える歯ぐきや骨、噛み合わせ、全身の健康状態などが変化していきます。
そのため、
-
加齢による身体の変化
-
生活習慣や介護・子育てといった社会的背景
-
残存歯や歯周組織の状態
などを総合的に考慮し、長期的に安定した口腔環境を維持するためのメインテナンスが欠かせません。
また、人生の最終段階を見据え、
お口の状態や全身の変化に応じて装置を調整・変更できるよう、
治療計画の段階から柔軟性を持たせた設計が必要です。
つまり、
「今」だけでなく「未来」を見据えて、
患者様一人ひとりの年齢・全身疾患・生活環境などを考慮したインプラント設計が大切だと改めて感じました。
また今回の学会を通して、インプラント治療計画の重要性と、超高齢社会における歯科医師の責任の重さを再認識しました。
当院でも今後とも
患者様一人ひとりに対し、将来的な健康や生活背景も見据えた診査・診断・説明を徹底し、
より安心して長く使えるインプラント治療を提供してまいります。

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北海道大学の先輩・黒嶋伸一郎先生の講演
今回の学会では、私の母校・北海道大学歯学部の先輩である
黒嶋伸一郎先生による「薬剤関連顎骨壊死と再生医療」についての講演も拝聴しました。
黒嶋先生は北海道大学大学院 口腔機能学分野の教授としてご活躍されており、
講演後にご著書『臨床医のための薬剤関連顎骨壊死の本』(医歯薬出版)にサインをいただきました。
「何か困ったことがあればいつでも相談して」と温かいお言葉をいただき、
大変光栄で忘れられない時間となりました。

コロナ禍ではオンライン参加が中心でしたが、
やはり現地で直接講演を聴くことで、講師の先生方の熱意がより深く伝わり、
非常に有意義な時間を過ごすことができました。
いつか、当院のスタッフとも一緒に学会へ参加し、
学びを共有できる日を楽しみにしています。
そしてまた明日から、日々の臨床にしっかりと向き合ってまいります。
最後に
11月は学会や勉強会のため、週末に休診をいただくことがございます。
患者様にはご不便をおかけしますが、
副院長の松上先生や代診の小笠先生をはじめ、
優秀なスタッフがしっかり対応いたしますのでご安心ください。
また、日々支えてくれているスタッフのみんなに心より感謝申し上げます。
当院では、
「正しい診査・診断」に基づく
「わかりやすい説明」を大切に、
安心・安全で最良の医療を提供できるよう、スタッフ一同努力してまいります。
お口のお悩みやインプラント治療について気になることがございましたら、
どうぞお気軽にご相談ください。

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