英語圏の患者様が来院されました〜院長、まさかの「ルー大柴」に(笑)〜
2026.07.09
こんにちは。かいり歯科クリニック院長の戸田です。
いつもは真面目に歯やお口の話ばかりしておりますが、今日は少し趣向を変えて、先日クリニックで起きた”ちょっとした事件”について書かせてください。
ある日、Web予約から届いた1通の予約メール。
翻訳されて届いたその内容は、英語圏のご家族4名様からのご予約でした。口コミを見てお選びいただいたとのこと。とてもありがたいお話です。
ただ….ありがたいのですが、正直に申し上げます。私もスタッフも、全員が固まりました。
「受験英語」は、実戦では1ミリも役に立たない話
ここで少しだけ自己弁護をさせてください。。
私、こう見えて学生時代は英語がわりと得意なつもりでした。実は京都の進学校・洛南高校のⅢ類Aという進学クラスの出身でして……とはいえ、正直に白状すると、クラスの中では完全に落ちこぼれの方だったのですが(笑)
それでも高校1年生の時に強制的に英検2級を取らされ、センター試験の英語に関しても、模試や本番もだいたい200点満点中180点を超えるくらい。文法だって、そこそこ分かっていたはずなんです。
なのに。
いざ英語圏の方が目の前で話し始めると、まったく聞き取れない。 そして、ひとことも出てこない。 海外旅行でホテルのフロントに立っただけで無口になる状態です。
日本語での仕事ではあんなにおしゃべりな私が、英語になった瞬間、急に寡黙で控えめな男に大変身します(笑)頭の中に浮かぶのは、往年のルー大柴さんや長嶋監督のような、日本語と英語がまざり合った謎の言語だけ……。
でも、私には前々から一つの夢というか目標がありました。「いつか英語圏の方とも、きちんとコミュニケーションを取りながら治療してみたい」
今回はまさに、その願いが試される絶好のチャンスが不意に訪れたわけです。
スタッフ総出、手作りの「英語フレーズ集」で当日に挑む
とはいえ、いきなりご家族4名様を一度にお迎えするのは、既存の患者様にもご迷惑がかかってしまいます。そこで一度は「日本語のサポートの方がいらっしゃらないと難しいかもしれません」と、心苦しくもお断りのご連絡をしました。
ところが後日、奥様おひとりが直接クリニックまで足を運んでくださったのです。
「どうしてもこちらで診てほしい」と。
お人柄もとても柔らかく、温かい方でした。その想いに応えたい——そう思い、まずは奥様おひとりの診療をお受けすることにしました。
そこからは準備の日々です。
- 院長・受付担当・衛生士担当で専任チームを編成
- 10年以上前に買った『歯科臨床英会話』の本を引っ張り出して読み直し
- 受付から検査説明、治療中、X線撮影、会計まで、場面ごとの英語フレーズ集を全部手作り
- 翻訳アプリ・AIも総動員
そうして迎えた当日。1時間に及ぶ初診の資料取りと検査データの説明を、フレーズ集とAIをフル活用して、なんとかやり遂げることができました。
……もちろん、実際のとっさの会話では言葉が出てこず、やっぱり片言英語もままならない状態。恥ずかしい思いもたくさんしました。それでも患者様の優しさに助けられ、「伝えたい」という気持ちだけは、しっかり届いたと思っています。
この経験でわかった、大切な気づき
汗をかきながらの診療でしたが、終わってみて一つ大きな発見がありました。
歯科の現場で使う英語は、実はそんなに難しくない。
日常会話とは違い、診療で使う言葉はかなり限られているのです。
「お口を開けてください」「痛かったら手を上げてください」——こうした決まったフレーズさえ準備しておけば、案外なんとかなる。この気づきは、大きな自信になりました。
そして後日談を一つ。。少し自信をつけて調子に乗ってしまった私は、ご主人が日本人・奥様がアメリカ人というご夫婦の診療で、調子に乗って翻訳アプリや英語フレーズ集で対応していたところ……なんと自由診療の治療当日、通訳役のご主人がいらっしゃらないという事態に(笑)
準備も何もなく、再びルー大柴&長嶋監督が召喚され、よく分からない英語を炸裂させて玉砕という結末。研修医時代の初めての外科処置以来という緊張感を味わいました💦
ですが——ここでも、事前に作っておいたフレーズ集がかなり役立ちました。 特に処置後の注意事項は、フレーズ集の英語をそのまま読み上げただけ。しかもその内容は、普段私が日本の患者様にお伝えしている説明と、まったく同じだったのです。きちんと準備しておいて本当に良かった、と心から思いました。
【特別公開】院長が実際に使った英語フレーズ集(チェアサイド編)
せっかくなので、当院で手作りしたフレーズ集の一部をこっそりお見せします。英語圏の患者様、もし当院にお越しの際は「あ、ブログのやつだ」と思っていただけたら嬉しいです😊
🦷 診療のはじめに
| 日本語 | English |
|---|---|
| これからお口の中を拝見しますね。 | I’m going to examine your mouth now. |
| エプロンをおかけしますね。 | I’m going to put a bib on you now. |
| それでは椅子を倒します。 | I’m going to recline the chair now. |
| 体の力を抜いて、楽にしてください。 | Relax and make yourself comfortable. |
🦷 治療中の動作の合図
| 日本語 | English |
|---|---|
| もう少し口を開けてください。 | Please open your mouth a little wider. |
| 口を開けたままにしておいてくださいね。 | Please keep your mouth open. |
| 顎を上げてください。 | Please tilt your chin up. |
| あと少しです。頑張ってください。 | Almost done — you’re doing great. |
🦷 そして、いちばん大切なひとこと
痛かったり、止めてほしいときは、いつでも左手を上げてください。すぐに止めます。
Raise your left hand anytime, and I’ll stop right away.
この最後のフレーズだけは、どうしても伝えたい言葉です。「あなたのペースで大丈夫。主導権はあなたにあります」——歯科治療でいちばん患者様を安心させられるのは、この「いつでも止められる」という約束だと、私たちは考えています。
言葉の壁を越えて、当院の理念が届くのか。挑戦してみたい
今回の経験を通じて、私は本気で思うようになりました。
言語の壁があるために、「本当はきちんと治療したいのに対応できない」と悩んでいる歯科医院は、きっと少なくありません。だからこそ当院は、これからほんの少しずつ、仲間のスタッフが許してくれるなら英語圏の患者様への対応にもチャレンジしていきたいと考えています。
かいり歯科クリニックが13年間、大切にしてきたこと。
それは、きちんとした検査・診断に基づいて、患者様に分かりやすくご説明することです。
この姿勢は、日本語でも英語でも、変わらないはずだと思ってます。
私たちの理念が、言葉や国籍を越えて通用するのかどうか——スタッフみんなの力を借りながら、これからチャンスがあれば少しづつ挑戦していきたいと思っています。
つたない英語かもしれません。ときどきルー大柴が出るかもしれません(笑)。
それでも、「あなたをきちんと診たい」という気持ちだけは、世界共通だと信じています。
A Note to Our English-Speaking Patients
Thank you for reading our little story. We are studying English now, little by little.
We are sorry. We may not be able to help you in English right away.
But we really want to. One day, we hope to take good care of everyone — in any language.
院長 戸田智大 / Dr. Tomohiro Toda
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