【参加報告】日本口腔インプラント学会関東・甲信越支部主催〜第15回学術シンポジウム〜
2025.07.28
皆様、こんにちは。かいり歯科クリニック院長の戸田です。
2025年7月27日(日)、日本口腔インプラント学会関東・甲信越支部主催の第15回学術シンポジウムに参加して参りました。
今回のテーマは『ゼロボーンロスを達成するためのストラテジー』ということで、
インプラントを支える周囲の骨の経年的な吸収を0.2mm以下に抑えるための多角的な視点について、多くの先生方からの医学的な根拠に基づいた臨床報告やディスカッションが行われました。
明日からの臨床に活かせる多くの学びと刺激をいただき、大変有意義な時間を過ごすことができました。
ちなみに今回の学術大会は、私が兼ねてより所属している【インプラント再建歯学研究会《IIRD(Institute of Implant Reconstructive Dentistry)》】が主幹となり開催されました。
IIRDの理事長である遠藤学先生、そして準備に携わられた理事および会員の先生方に、この場をお借りして心より感謝申し上げます。
さて、皆様はインプラント治療と天然歯(ご自身の歯)の違いについてご存知でしょうか?
今回は、その違いを簡単にご説明させていただきます。
天然歯とインプラント、その違いとは?
まずは、天然歯とインプラントについてそれぞれご紹介します。
【天然歯】とは
・ご自身の体で作ったご自身の歯のことです。
・歯は「歯根(しこん)」という根っこがあごの骨に埋まっており、「歯根膜(しこんまく)」というクッションのような膜で骨とつながっています。
・噛むときにこの歯根膜が力を調整したり、感覚を伝えたりする大切な役割をしています。
【インプラント】とは
・ むし歯や歯周病、ケガなどで歯を失ってしまったときに、人工の歯の根っこをあごの骨に埋めて、その上に人工の歯を作る治療です。
・チタン製のネジのようなものを骨にしっかり固定します。
・天然歯との一番の違いは、歯根膜がなく、骨と直接くっついている点です。
天然歯とインプラントの違いまとめ
インプラントと天然歯の最も大きな違い:歯根膜の有無
上の図(GC会員ホームページ参照)を見ていただくと、天然歯には「歯根膜」があるのに対し、インプラントにはありません。
この「歯根膜がない」という点が、インプラントと天然歯の最も大きな違いであり、重要なポイントとなります。
歯根膜がないことで…
・クッション性がない ⇨ インプラントは動かないため、噛む力が直接骨に伝わります。
・血液や細胞がない ⇨ 細菌に対する身体を守ってくれる働き(防衛機能)が天然歯に比べて劣ります。
今回の学術大会においても、この「歯根膜のないインプラント」における噛み合わせ(咬合)や、少しでも細菌感染しにくいインプラントのポジション(歯茎や骨に対する位置)について、様々な文献や症例を通じて発表され、大変勉強になりました。
次は秋に、日本口腔インプラント学会の第55回全国学術大会が福岡で開催されます。
『国民から信頼される口腔インプラント治療』をテーマに、全国から著名な先生方が集まり講演されるため、私も専門医教育講演の受講も兼ねて参加予定です。
開催地が遠く、診療日の調整が必要なのが気がかりではありますが、最新の情報をアップデートできるよう、これまでの知識と技術の復習をして準備に臨みたいと思います。
かいり歯科クリニックでは、【安心】【安全】【最良】の医療提供を前提とし、『正しい診査・診断』に基づく『分かりやすい説明』を大切にしております。
歯を失ってお困りの方も、お気軽にご相談ください。皆様のご来院を心よりお待ちしております。
【歯科医師が解説】健康寿命を延ばす秘訣は「運動」にあり!
2025.07.11
こんにちは。かいり歯科クリニック 院長の戸田です。
日頃から患者様にとって有益な情報をお届けしたいという思いで、時よりブログを更新させて頂いております。
最近では、患者様から「ブログ読んでるよ」とお声をいただくこともあり、スタッフ一同とても嬉しく感じています。
今回は「歯と運動?関係あるの?」と思われるかもしれませんが、お口の健康と全身の健康は密接に関係しています。
健康寿命を延ばすカギのひとつである「運動」と「健康」のつながりについて、歯科医師の視点からお話ししたいと思います。
なぜ歯科医師が『運動』の話をするのか?
当院は、【千葉市健康づくり推進事業所】の認証を受けており、スタッフと一緒にスポーツイベントなどを積極的に実施しています。
医療従事者自身が心身ともに健康でいることは、患者様に最高のパフォーマンスを提供するための基盤でもあります。
私自身も、暑い季節を避けながら、診療後にジョギングを楽しんだり、運動に関する情報交換を同僚のドクターともよく行っています。
副院長の松上先生はフルマラソンやトレイルランにも参加しており、スタッフの健康づくりを目的としたイベントの企画・運営を担当してくれています。
運動がもたらす3つの素晴らしい効果
運動は「体にいい」だけではありません。ホルモンバランスや脳機能にも良い影響を与えます。代表的な3つのホルモンをご紹介します。
1.BDNF(脳由来神経栄養因子)
脳を活性化し、認知症予防にも効果的な重要ホルモンです。
2.成長ホルモン
免疫力の向上や疲労回復、アンチエイジング効果も期待されます。運動により分泌が促進され、年齢による減少を補うことができます。
3.テストステロン
やる気や集中力の向上、メタボ予防にもつながるホルモンです。男女問わず、活力の源となります。
WHOも推奨!今日からできる運動習慣
世界保健機関(WHO)は、成人に対して以下の運動習慣を推奨しています。
中強度の有酸素運動:週150分以上(例:早歩き、サイクリング、ジョギングなど)
筋力トレーニング:週2回以上
有酸素運動と無酸素運動のメリット
有酸素運動(ウォーキングやジョギングなど)
・BDNFや成長ホルモンの分泌を促す
・脳の働きを活性化
・ストレスの軽減や睡眠の質の向上にもつながります
無酸素運動(筋トレなど)
・筋力アップ・基礎代謝アップ
・脂肪燃焼や老化予防に効果的
・テストステロンの分泌促進にもつながります
私も週2回の筋トレ、週1回の水泳(1km程度)、さらに週1回のジョギングを続けています。運動は深い眠り(ノンレム睡眠)を促し、睡眠の質の向上にも寄与します。
【活動報告】第1回スポーツイベント『南房総リレーマラソン』に参加!
先日、「かいり歯科クリニック 第1回スポーツイベント」として、南房総で行われたリレーマラソン大会(20km)に参加しました!
1人2.5kmずつ、チームでたすきをつなぎながら走り、無事に全員完走することができました!
当日はあいにくの雨模様でしたが、仲間と励まし合いながら走る時間は、本当にかけがえのないものでした。
またマラソンの後は、土曜日診療を担当してくれた小笠先生をはじめ、スタッフも集まって焼肉を楽しみました!
走り終えたあとのお肉とビール(ノンアルコールも)…
最高でした!
クリニックのチーム力や一体感も、より一層深まった有意義な時間となりました。
医療従事者が健康でいることの大切さ
私たちは、虫歯や歯周病、歯並びの予防からお口の健康から全身の健康のサポートする歯科クリニックを目指しています。
健康は一日にして成らず。
私たちスタッフ自身も、運動や食生活、睡眠といった日々の積み重ねを大切にしながら、皆様の健康を支えていけるよう努めてまいります。
お口のことで気になることがあれば、いつでもご相談ください。
かいり歯科クリニック
院長 戸田 智大
【セミナー】矯正の本質を学ぶために 〜高い診断力を持つハイレベルな矯正医の育成アドバンスコース受講スタート〜
2025.07.08
こんにちは。かいり歯科クリニック院長の戸田です。
日々の診療と並行して、歯科医師として常に知識と技術の研鑽を続けることは、患者様へのより良い治療の提供に直結すると考えています。
現在、私は矯正治療の第一人者である下間一洋(しもつま かずひろ)先生が主宰する高い診断力を持つハイレベルな『矯正医の育成アドバンスコース』を受講しています。
今回は、なぜ一般歯科医である私が矯正治療の学びを深めているのか、そしてそれが患者様にどのように還元されるのかを今回はお伝えさせて頂きます。
歯科治療の噛み合わせの基盤となる歯の“position(位置)”
インプラントや被せ物、ブリッジ、入れ歯などの処置(補綴治療)を長く安定して機能させるためには、治療対象の歯だけでなく、口腔全体における歯のposition、つまり歯の位置関係が非常に重要となります。
歯科でよく使われる『噛み合わせ(咬合)』という言葉は、
歯の位置 と 歯の形 の総合バランス
のことを指します。
歯の位置が不適切な場合、見た目だけでなく、噛み合わせにズレが生じ、ある特定の歯に過度な負担がかかることがあります。
特に前歯の位置は、奥歯を守る重要な役割を担っており、機能面でも極めて重要です。
横顔(側貌)から診る『噛み合わせバランス』の重要性
歯並びというと、正面からの見た目(ガタガタ・デコボコ)を想像されがちですが、
矯正学を身につけている歯科医師は
横顔から見た前歯の位置関係
も重視します。
たとえば、出っ歯(上顎前突)や受け口(下顎前突)、前歯が噛み合わない開咬(かいこう)という歯並びの状態でインプラントや被せ物、ブリッジ、入れ歯などの補綴治療を行っても、根本的な解決にはならないのが実情です。
つまり
矯正治療で歯を正しい位置に動かすことが、長期的に安定した補綴治療やインプラント治療を行う上で不可欠であることが多い
というのが真実です。
そのためには、ときには正しい診査・診断に基づいて
健康な歯を抜歯してでもスペースを作り、そのスペースを利用して前歯(特に犬歯)を正しい位置に移動させる判断も重要
になります。
これは見た目だけでなく、口腔機能の安定と健康維持のための選択肢です。
また少し難しい話にはなりますが、矯正の診断時には、横顔のバランスだけでなく、上下の顎の前後的な位置関係や傾き、また噛み合わせの平面(咬合平面)の角度など、包括的な咬合分析も行います。
長期的にお口の健康を守るために「先行投資」としての矯正治療
矯正治療には以下のような大きなメリットがあります:
-
見た目の改善:歯並びが整い、口元の印象が明るくなります。
-
噛み合わせの安定:理想的な前歯の位置によって奥歯を守る力が働き、歯ぎしりや食いしばりの影響を最小限に抑えます。
-
補綴治療・インプラント治療の質の向上:治療前に歯並びを整えることで、被せ物やインプラントが長持ちしやすくなります。
このように、
矯正治療の知識や診断力は、見た目だけでなく、全ての歯科治療の質を底上げする力を持っています
一般歯科医師に矯正治療を40年以上指導を継続されている矯正指導医に感謝
私が受講しているアドバンスコースは、矯正指導医として長年にわたり多くの歯科医師を育成してきた下間一洋先生が講師を務めています。
1981年に始まったこのコースは、約45年間にわたり進化し続けてきた実績あるプログラムです。
先生は非常に熱心なご指導をしてくださり、懇親会の場でも矯正用プライヤーを持参し、ワイヤーの曲げ方などを直接ご教授くださいます。
二次会では深夜0時を過ぎても講義を続けてくださる姿勢に、私は心から感銘を受けました。
この貴重な学びの機会を活かし、より多くの知識と技術を吸収して日々の診療に反映してまいります。
〜患者様へ、より安全で最良の治療をお届けするために〜
かいり歯科クリニックでは、虫歯や歯周病の治療だけでなく、お子様の歯並び育成や、大人の矯正、さらにはお口全体のバランスを重視した総合的な治療まで幅広く対応しています。
患者様お一人おひとりに、安全で安心、そして最適な治療選択肢をご提案するために、今後もスタッフ一同、学び続けてまいります。
お口の中に関するお悩みやご相談がありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
【セミナー】『この歯はもう抜くしかないですか?』〜外科的歯内療法の最前線から学んだこと〜
2025.07.06
こんにちは。かいり歯科クリニックの院長の戸田です。
「この歯はもう抜くしかないですか?」
こんな相談を日々の診療の中で、患者様から悲しそうなお顔でされることがございます。
そんな『歯を残したいという患者様の想い』に少しでも応えたいという気持ちから
この度、当院の非常勤歯科医師 小笠皓平(おがさこうへい)先生が
これまで取り組んできたCTやマイクロスコープを活用した精密な根の治療(精密根管治療)の知識と技術をより一層深めるべく
「第29回 マイクロサージェリーアドバンスド実習コース」(講師:澤田則弘先生)
に参加してまいりました。
※澤田則弘(さわだ のりひろ)先生とは
日本を代表する歯内療法(根管治療)およびマイクロエンドの専門歯科医で、主に東京・四谷にある「澤田デンタルオフィス」を運営されています。また、若手歯科医向けに教育・講演活動にも注力されている先生です。
歯科医師 小笠皓平先生
小笠皓平先生は、国立徳島大学歯学部のご出身で、小・中・高・大学と一貫してバスケットボール部に所属してきた、身長180cmを超える体格の大きな先生です。
その堂々とした見た目とは裏腹に、性格はとても温厚で優しく、患者さまやスタッフにも常に丁寧に接してくださいます。
また、真面目で勉強熱心な一面もあり、日々研鑽を重ねながら、より良い医療を提供するために努力を惜しまない先生です。
そんな小笠先生が、マイクロスコープとCTを活用した外科的歯内療法(後述:歯根端手術)の最新知識と、治療に向き合う術者の姿勢について学んできたことをご紹介させて頂きます。
歯の根の中は目に見えない細菌の集落〜CTと高倍率視野で細菌と戦う〜
歯の根の治療(根管治療)の目的は、根の中の細菌を徹底的に取り除くことです。
しかし実際の診療では、X線(レントゲン)画像上では明確な原因が見えないにも関わらず、痛みや違和感が続くケースもあります。
その原因として、根の管の中の分岐(側枝)や 根の管と管の間のつながり(イスムス)、根の先端部(根尖部)などの複雑な形の中に隠れた細菌が考えられます。
こうした見つけづらく取り除きづらい細菌に対応するには、マイクロスコープや高倍率ルーペによる拡大視野と、CTによる三次元での診査・診断が必要となります。
根の治療は『基礎工事』〜精度が未来の歯の寿命を決める〜
根の治療は、単に痛みを取る処置ではありません。
その後の詰め物や被せ物がしっかりと噛めるようにするための
「土台づくり」=基礎工事
です。
治療には細かく時間のかかる作業が多く、根の中の細菌を完全に除去するには高い精度が必要です。
わずかな見落としや妥協が、再感染や再治療につながるリスクとなるからです。
セミナー講師の澤田先生は講義の中で
「患者様から託された歯には、決して妥協してはならない」
と繰り返し話されていたそうです。
この言葉はわれわれ歯科医師にとって、診査・診断から保存が出来ないと判断した歯に対して、改めて見直すきっかけとなるお言葉だと思います。
最終手段の歯根端手術〜高度な技術を日々のルーティン診療へ〜
今回のセミナー実習には歯根端手術の技術について細かい技術指導がメインとなっていました。
歯根端手術(Apicoectomy)とは
根管治療を行っても治らない、または再発してしまった病変に対して、歯の根の先端(根尖)を外科的に切除し、病巣を除去する治療法です。
【目的】
“ 根尖病変(歯根の先にできた膿や炎症)”に対して
・根管治療で治らない
・再発してしまった
・根管の形態が複雑で治療器具が届かない
などの場合に、
歯を抜かずに保存するための最終手段
として行います。
最終手段の歯根端手術は歯根の裏側に残るわずかな感染源をいかに可視化し、確実に除去するかといった、非常に高度かつ臨床的な技術の習得が必要となります。
また、技術以外でもマイクロスコープ下での操作での注意点や、CT画像の読影の仕方、診断へのアプローチの大切です。
歯をできる限り残す治療を
かいり歯科クリニックでは、マイクロスコープとCTを用いた精密な診査・診断のもと、
時間と手間を惜しまない精密根管治療・精密歯根端切除を自由診療で行っています。
小笠先生が学んだ内容をクリニック内でも落とし込み、
今後も1本でも多くの歯を残すために、患者様と誠実に向き合ってまいります。
歯でお困りの方はお気軽にご相談下さい。
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